オーストラリアツーリング総まとめ(ルート・装備・危険)はこちら → 一周まとめ


宿代が異常に高い…そして、ついに“空きゼロ”
2023年11月14日
カリジニ国立公園のトム・プライス(Tom Price)を目指す。
距離は約850km。
地図をどう眺めても、1日500km以下で刻むなら、ルートはほぼ一択。
Sandfire →(320km)→ Port Hedland →(260km)→ Auski Village →(260km)→ Tom Price。
小刻みで、もう少し走りたいが仕方ない。
今日はPort Hedlandを目指す。
実は数日前からPort Hedlandの宿を探している。
宿泊施設は5件ほどあるのだが、どこも空室がなく、値段も異常に高い(Broomeの1.5〜2倍)。
様子見しているうちに、ついに“空きゼロ”になってしまった。
Port Hedlandでは何か起きているらしい。
明日泊まる予定のAuski Villageは情報が少なく、どんな場所かよく分からない。
場合によってはテント泊になるかもしれない。
今夜もテント泊になると、最悪3連テント。
38℃の世界でそれは避けたい。
若ければまだしも、ジジィには過度の消耗は(いろいろな意味で)危険ですらある。
朝から粘って検索していたら、突然、1軒だけ空きが出た。
値段はBroomeの2倍以上。ただし朝夕食付き。
夕食付きの宿なんて見たことがない。
「豪勢なディナーでも付くのか?」と、しばらくスマホの画面を見つめる。
“今押さえないと無くなる”という焦りと、“高い”という理性がせめぎ合い、最後は理性が負けた。
親指が予約ボタンをポチッ
……押してしまった。
ええい、ままよ。
豪勢なディナーに期待して、そのまま予約を完了した。
13:30 Port Hedland着。
どこもかしこも工事だらけ。
宿はPort Hedland手前10km、何もない場所にぽつんとあった。
駐車場には、工事車両がずらりと停まっている。
チェックインは14:00から。
少し早いが大丈夫だろう、とレセプションに行くと「14:00まで待って」ときっぱり。
厳密にオペレーションしている。
普通なら30分前くらいは、OKなのだが……。
仕方なく「どこか涼しい所はありますか?」と聞くと、食堂を使っていいと言われた。
施設自体は新しく、全体的にとてもきれい。
ただ、普通のホテルとはちょっと違う。
どこか素っ気ないのだ。



チェックインして部屋に行って、ようやく合点がいった。
ここはホテルではなく、工事作業員向けの宿泊施設なのだ。
それも数百人規模のかなり大きな。
長期滞在が前提らしく、壁には生活ルールがいろいろ貼ってある。
レセプションが厳密にオペレートしていたのは、そういうことだった。
おそらく工事会社か自治体が整備した施設なのだろう。
空室がなかったのは、工事が盛況で宿の供給が追いついていないから——と推察した。

突き当りのドアを出ると洗濯機&乾燥機が並んでる
廊下は、なんとも味気ない。
写真を撮り忘れたが、部屋はきれいで機能的、快適だった。
各棟には洗濯機&乾燥機が20台くらいずつ並び、洗剤・柔軟剤まで含めて全部タダ。
当然、洗えるものは全部洗った。
オレンジ色の“あの格好”の列に並ぶ
夕方、食堂へ行く。
さっきまでガラガラだった食堂が、人で溢れかえっていた。
次から次へと人が出入りしている。
皆、オレンジ色の上下の作業服。
ヘルメットを手に、腰には工具ベルトにハンマーやら大型レンチやらを挿している。
道路工事の現場で、いつも横を通り過ぎていた“あの格好”だ
どうやら仕事が終わったら、まず食事、それからシャワー——という流れの人が多いらしい。
夕食は“豪華ディナー”ではなく、“作業員向けの食事”だったのだ。
最初は呆気にとられてビビったが、そうも言っていられない。
作業員に混じって、ブッフェの列に並ぶ。
オレンジの作業服を着た屈強な男女(女性も結構いる)の中に、ビーサン短パンの小柄な東洋ジジィが混じっている。
我ながら滑稽だが、誰も気にしている様子はない。
こちらも開き直った。
(カメラを持っていなかったので)「明日はこの珍妙な光景を絶対撮るぞ」と思い、翌朝7:00にカメラ持参で食堂へ行った。
……が、もう誰もいなかった。
作業員の朝は早いのだろう。
残念なことをした。


昨晩はもっと豪華だった。




ブッフェは驚くほど豪華で、メインだけでも10種類近くある。
パン、スープ、デザート、フルーツまでとにかく多彩で、どれも超美味い。
肉体労働の現場だけあって、食事に相当力を入れているのがよく分かった。
帰国した今でも、もう一度食べたいくらいだ。
食堂の右奥にはインスタント食料コーナーがあり、カップ麺、スープ、各種パンやジャムなどがずらり。
夜食(もしくは非常食)用なのだろう。
もちろん私も、非常食用に遠慮なく頂戴した。
果物もすごい。
オレンジ、ブドウ、洋梨、リンゴ、キウイ、バナナ……取り放題。洋梨が特に美味い。
これ以降、スーパーで洋梨を見かけると買うようになった。
ケーキ類にいたっては、ほとんど売り切れていて何があったのかよく分からない。
タッパーが用意されていたので、昼食と夕食の分まで詰めて持ち帰った。
読者の方には、意地汚く見えるかもしれないが、皆さんやっている。
私も堂々と。
これで、高い宿代をだいぶ回収できた。
宿代は高かったが、貴重な経験をした。
オーストラリア一周バイクツーリング DAY22。
Port Hedland泊 本日の走行320km
