老「美女と野獣」の謎のホテル ……“秘密クラブ”みたいな宿                                Episod11/Part2

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2023年11月22日~23日
今朝のニュースで、Perthからこの辺一帯にかけて熱波と強風で厳重注意と言っていた。
今日はPerthまで530km、一気に南下する。
昨日は44℃。
今日はそれに加えて強風だと。
……最悪だ。

予報どおり、終日強い横風と強烈な日射しの中を走ることになった。
ハイウェイを飛ばしていると、西部劇によく出てくる枯れ枝の塊が、2〜3個まとめて風に吹かれて飛び込んでくる。
強風で減速しているとはいえ、速度は100km近い。
2回ヒヤッとさせられた。
対向車とのタイミングが悪ければ、危なかったに違いない。
加えて、風が強いせいでロードトレインのタービュランスが相変わらず厄介だ。

バテバテでPerthに辿り着く
今日と明日は、「プライベートオーナーが運営」するというホテルを予約した。
歩いて市内観光出来る中心部で探したら、ここに辿り着いた。
事前にホテルから届いた案内メールが、やたら難解だ。

到着したら、私から電話を掛ける場所を指示している様だが、良くわからん。
文章じゃなく、地図を書け……である。
ナビで住所まで行って電話することにした。

ホテルの入口が見当たらない

Perthに到着。
市内はもうクリスマス・デコレーションが始まっていた。

ナビ通りに住所へ向かったが、到着してもホテルらしき建物が見当たらない。
周囲を見回しても、それっぽい看板もない。
仕方なく、バイクを停めて電話する。
……まさか自分が、ホテルの玄関の前に立っているとは、この時は全く気づいていなかった。

ホテル名を視認できたのは、玄関脇の呼び鈴のみ(写真)。
あとは一切、見当たらなかった。

バイクを停めて電話した玄関前

     呼び鈴ボタンがある→

ホテル名を見たのはここだけ、あとは一切見なかった。

これだけ・・・ここは、秘密クラブか。

電話すると、コーヒーを飲めと……

電話すると女性が出た。
私:「今、住所の所にいるんですが……」
女性:「パートナーが迎えに行きます。10分ほどお待ちください。初老の男です」

10分後、電話がかかってくる。
女性:「申し訳ありません。パートナーが遅れています。20分で行きますので、近くにカフェがありますので、コーヒーでも飲んでお待ちください」
私:「……」
コーヒーを飲んで待てと……。
酷暑の中、530km走ってバテバテで死にそうな人間に、カフェを探せと言うのか。
私:「わかりました……」

“なんて日だぁー” である。

現れたのは「ザ・田舎のジジイ」

頃合いを見てカフェから電話すると、
女性:「ご休憩できましたか? ○○十字路のところでパートナーがお待ちしています」
バイクで指定の十字路へ行くと、白人男性が立っていた。
見た目はまさに ザ・田舎のジジイ という雰囲気。

遅れたことを懸命に謝っている。
人は良さそうだ。
ただ、訛りが強烈で、何を言っているのか半分しかわからない。

地下駐車場へ“ダイブ”

はや足で歩いて先導する田舎ジジイを、トコトコとバイクで追いかける。
3〜400mほどだろうか。建物をぐるっと回ったところにカーパーク入口があった。
入口は急坂で、ほぼ“ダイブ”するように地下へ下る。
ちょっと怖いくらいの勾配だ。
下りきると、近代的な地下駐車場があった。
このまま直接エレベーターで部屋に行くと言う、チェックインはなし。
あとで荷物を運ぶ台車を持ってきてくれるそうだ。

呼び鈴を押して玄関を入ると
2つ目のドアがある。
2つ目のドアを入って直ぐ。
その奥の回廊
回廊を突き当たった左にエレベーターがあるレセプションは無い。
エレベーター側(反対側)から玄関を望む。
左写真から進んだところ

エレベーターを降りると、フロア・エントランスがある。
客室は複数のフロアにある様だ。
かなり豪華な造りだ。

エントランス左側の窓から外を望む。
フロア・エントランス
私の部屋はドア入った突き当りの右奥。

「コーラ?ジュース?」からの「ビール?」

部屋に着くと、「何か冷たいもの飲むか?コーラか?、ジュースか?」と聞いてきた。
私の様子をみて

「……ビールか?」

えっ、今ビールって言ったよね?
じゃあビール!!

ビールは備え付け冷蔵庫に無いらしく、わざわざ別フロアまで取りに行ってくれた。
戻ってきた彼の手には、ビールが2缶。
「これは今飲む分。もう1缶は荷物を運び終わったら飲みたいだろ」
もちろんサービス。
オーストラリアのビールは高い。
350ml缶で700〜800円くらいする。
なのに2缶……。

いい人だぁ〜。

ビールを飲みながらホテルの説明を受け、取りとめもない話をする。
彼も若い頃、ホンダのバイクに乗っていたそうだ。

しばらくすると「お前、だいぶ顔色が良くなってきたな。最初会った時はひどい顔で心配したんだ」
と言われた。
暑さと疲れで、相当険しい顔をしていたらしい。

部屋が天国

部屋はコンパクトだが、 心づかいが ”おもてなし”以上のレベルで驚いた。
ベッドルームは隅々まで配慮が行き届いていて、完璧に快適。
ベッドサイドには、ユリの生花が素敵に生けてあり、美しくて癒される。
飲み物はアルコール以外ほぼ全種完備され、
飲み物以外もKitKat、クッキー、スナック類と充実している。
しかも、全て有名市販品だ。
アメニティもアメイジングで、新品の市販品で統一され、宿泊客目線で選ばれているのを感じる。

前日のキャラバンパークと比べると、天国すぎて本当にこれでいいの?と思ってしまった。

昨日のベッド。決して悪くは無いが・・

電話の主に遭遇

翌昼、フロア・エントランスでエレベーターを待っていると、上品な老齢の婦人に声をかけられた。
昨日の電話の主だと気づく。

あの“ザ・田舎ジジイ”は、ご主人らしい。
正に「老美女と老野獣」である。

日本のどこが良かったとか、バイクで豪州一周なんて凄いわとか、色々と話してくれる。
欧米独特の知的ジョークも飛び出す。
……が、私は知性と英語力が足りないので反応できない。
結果、彼女に「下手なジョークでごめんなさい」と言わせてしまった。(申し訳ありません)
とても品のある、知的な女性だ。
なんだか良い一日になりそうな気分で、市内観光に出た。

出発の朝
ザ・田舎ジジイが部屋をノック。
なにかと思ったら、請求書を渡され”現金か振込”にしてくれと言う。
確かに現金か振込がPreferredだと書いてあったが、予約はクレジットカード扱いで受け付けられている。
申し訳ないが現金は足りないし、振込できる口座を持っていない。
伝えると、何やら手続きしないといけないと言って戻っていった。
ちなみに、宿泊料は175豪ドル/泊(約16,600円)。
Perth中心部としては中心価格帯 or 安い方。
現金や振込を希望するホテルは他にもある。
事情も理解もするが、ここまでお願いされるのは初めてだ。
プライベートオーナーとして、資金の回転は死活問題なのだろう。

豪華、快適で居心地よく、接する人も気持ち良い。
だが、いろいろ謎が残るホテルだった。

最大の謎:キッチンとリビング、そして半裸の男

ホテル内とは思えないほど、スペースの使い方が贅沢。
玄関のあるフロア奥には、キッチンとリビングスペースまである。
誰が使うのだろう?
説明は一切なかった。

そして、さらに謎なのが——
上半身裸の男が、リビングのソファーに寝転び、ずっとテレビを見ていたことだ。
彼は何者?
住民? 宿泊客? それともスタッフ?

秘密クラブ感が、ますます深まった。

玄関フロアにあるキッチンスペース。
写真は全てホテル建物の中。
物凄く贅沢なスペース取りだ。
謎の半裸男のいたリビングスペース

オーストラリア一周バイクツーリング DAY30。
Perth市内ホテル泊 この間の走行523km

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