【西オーストラリアツーリング】ナラボー平原からウルル(エアーズロック)を目指す編 Episode5 (Walpole/おっかなビックリ病)

Perth以降、どうも走りの調子が良くない。バイクではなくライダーの方だ。
スタートしてから丁度1か月、無我夢中で走ってきたツケが溜まっているのか。
体力・気力が消耗してるのも、寄る年波なのも認めるが、休養すれば回復するので体力が大きく落ちたという実感はない。
朝起きて、今日も頑張るぞという気力もある。
ただ長い間消耗され続けた結果か、休養を取っても表層的には回復するが、深層の部分が回復しない感じなのだ。
上手く表現できないが「気が弱くなってる」そんな感じ。
兎に角、スピードやカーブや未舗装や対向車、後続車、・・・etc. 今迄、気にも留めていなかったものが怖いのだ。
なので、おっかなビックリ走っている。
タンデムで後ろの女性が、あれ見てキャー、これしてキャーする気持ちが良くわかる。

そういう訳でワインディングに入ると走りが絶不調に。
バイクを寝かせて曲がれない。
周りに合わせてコーナーに侵入するが、怖くてバイクがオッ立ったままなので、セルフステアが効かない。浮いた感じでコーナーを抜けるのでえらく遅い。
自然、後ろから4輪が迫って来て突つかれる(彼らのペースが速過ぎるというのもあるが)。
これがキャラバンを牽引している4輪だったりすると、精神的ダメージは絶大だ。

初めは、直線路ばかり走っていて曲がり方を忘れたのだとか、交換したオフロードタイヤのせいだとか、荷物がデカくて重いせいだとか、アレコレ考えたが、そういう事ではないのがだんだん分かって来た。

注意力も散漫になっている。
ワイナリーや牧場を抜ける間道を3時間近く走り続けた。

何処にも休みを取れる場所がないのだ。ガソリンスタンドも無い。
疲れも溜まり、余りに何も無いので牧場の入口でマップを確認しようと、サイドスタンドは降ろさずバイクに跨ったままマップを見ていた。
5分くらいした時、突然、右足がズルッ。
なす術もなく、ゴロン。
タンクバックの中身を盛大にぶちまけた。
なぜか物凄く動揺して慌ててタンクバックの中身を拾い、バイクを起こす為に荷物を外す。
この時、重大なミスを2つ犯した。
1, バックシートにシートバッグを載せただけで、4点あるバックルを全く留めていない。
2, いつも荷物とトップケースの間に挟んでいるテントのフレームセットを拾い忘れる。
通常は、シートバッグのバックルをこれでもかというほど確認し、走り始めは落とし物が無いか、ミラーで後ろをよくよく確認するのに、この時は全く何もしなかったのだ。

20km近く走ってやっとガソリンスタンドを見つけ、給油した時にシートバッグの右後方のバックルが割れて外れているのに気付いた。
予備のバックルがあるので夜に替えようと思いながら、外れたバックルだけ留め直し再出発した。
走り出して不安になり、手探りで手前のバックルを確認すると左右両方とも留まっている形跡がない。
この時初めて、バックルが留まっていないのに気付いた。
さっき留め直した1個だけで走っている。
重さで安定しているが、何かあれば荷崩れ必至だ。風も強い。
止める場所を探しながら狭いワインディングをソロソロ走っていると、先ほど追い抜いたロードトレインが迫って来た。
バックルが留まっていないのに気付いてしまった今、不安でスピードを上げられない。
やっとの思いで路肩を見つけ停車、ロードトレインをやり過した。
バックルを留め直し出発。この時でさえフレームセットが無いことに気付いていない。
結局、さらに70km近く走り疲労困憊して、道脇で給水&体操している時にフレームセットが無いことに気付いた。
(宿が見つからない非常事態の対応を含め)テントなしの旅は考えられない。
目の前が真っ暗になる。
我ながら何をやっているのか。注意力が散漫だと猛省した。

今は、体力的に50km先の宿泊地ウォルポール(Walpole)まで行くのが限界だ。
明日の朝、130km戻ってフレームセットを探すことにした。

オーストラリア一周バイクツーリング DAY35。
Walpole泊 本日の走行338km

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