2023年12月2日
ナラボー平原:ノースマン(Norseman)からセドゥナ(Ceduna)までの約1,200kmをエア・ハイウェイ(Eyre Highway)が貫いている。
前半にオーストラリアで最も長い直線路、146.6kmの90 MILE STRAIGHTがある。
90 MILE STRAIGHTの後半から宿泊地Cocklebiddyまでの140km物凄い横風に遭遇して、とんでもない思いをした。
90 MILE STRAIGHTの後半から強烈な横風が吹き始める。
平原なので遮蔽物が無く、海風が減衰しない。
右からの強い風は、ロードトレインのタービュランス(乱気流)に巻き込まれる危険な風だ。
この時は、無防備に走っていると本当に吹き飛ばされるんじゃないかと思うほどで、おっかなビックリ病も吹っ飛んで全神経・全力で対応した。
何台ものロードトレイン(3両編成)をやり過ごしているうちに、だんだん攻略法が分かって来た。
ウインドスクリーンを目一杯下げ横風にフロントを取られないようにした上で、ロードトレインの手前100mで95kmに減速。
バイクを出来るだけ左側に寄せタービュランス(乱気流)に負けぬよう一気に加速(110km前後)してトラクションを掛ける。
すれ違う瞬間、全身に力を入れハンドルを強く握り、息を止め、この野郎という感じで飛び込む。
「ドバンッ」
分かっていても「うわ」っと思わず声を上げてしまう程の衝撃を受ける。
衝撃に突っ込むと、一気にセンターライン側に吸い込まれる。
巻き込まれぬよう切り返す。
ロードトレインをやり過ごした直後、斜め後方から強烈な横風、この時ロードトレインの後ろに後続車がいると尚怖い。
ロードトレイン3連チャンの連続コンボは最恐だった。
だいぶ先を行くランクルが、煽られて左右に振れるのが見えた。
ランクルもロードトレインのドライバーも、相当怖いに違いない。
これは本当にヤバイ状況なんじゃないだろうかと思った。
「タービュランスに巻き込まれて事故ったという話は聞いたことが無い」だから大丈夫、と訳のわからない理由を心の支えに走り続ける。
この状況で停車したら、どうなるか想像もできない。
走り続けるしかないと思った。
いったい何台繰り返したのだろう。
20台?30台?それ以上?もう訳が分からない。
早く終わってくれと、ひたすらに願った。
宿泊地のCocklebiddyに着き、減速しようとクラッチを握ろうとしたら、左手が痺れて固まっているのに気付いた。
剝がすように手を開きクラッチを切る。
スタンドを下ろしエンジンを切った途端、ヘナヘナっとなってしまった。
長い事バイクに乗って来たが、こんなのは初めてだ。
オーストラリア一周バイクツーリング DAY40。
Cocklebidd泊 本日の走行246km
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